【グリーン購入】基本方針改定:グリーンプリンティング認定工場が基準値1の要件に

2025.03.22
【グリーン購入】基本方針改定:グリーンプリンティング認定工場が基準値1の要件に

こんにちは。
福岡 博多の印刷会社 三栄印刷です。
環境省が定める「グリーン購入法(国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律)」の「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」が改訂され、2025年4月より基準が変わります。
今回の改定で、役務-印刷のより高い環境性能を示す「基準値1」の要件に、グリーンプリンティング認定制度が明記されました。


※三栄印刷はグリーンプリンティング認定工場です。

☞プレスリリース
日本印刷産業連合会 グリーンプリンティング認定事務局
GP認定制度が「グリーン購入法」役務(印刷)の基準値1の要件に!なりました


□企業必見!”グリーン購入”の重要性
□役務-印刷における今回の改定内容とポイント
□ISO14001とグリーンプリンティング認定制度


 

□企業必見!”グリーン購入”の重要性

グリーン購入法」は、公共機関だけのものだと思っていませんか?
実は、企業や消費者にとっても非常に重要な法律なのです。
近年、環境意識の高まりを受け、企業の社会的責任(CSR)の一環として環境配慮がますます重要視されています。
その結果、環境負荷低減に取り組む企業が増加し、特に大企業を中心に“グリーン購入”を積極的に推進する動きが広がっています。
企業が持続可能な経営を目指すうえで、”グリーン購入”の推進は不可欠な要素となっています。

 

【グリーン購入の取り組み事例】環境省HPへリンク
 〇大企業の取り組み事例
 〇中小企業の取り組み事例

 

“グリーン購入”とは

製品やサービスを購入する際に、環境への影響を考慮し、必要性を慎重に判断したうえで、できるだけ環境負荷の少ないものを選ぶことです。
これは、公共機関だけでなく、企業、そして私たち消費者も取り組むべき重要な行動です。

 

「グリーン購入法」とは

“グリーン購入”を推進するために制定された法律で、国や地方公共団体が物品やサービスを購入する際に、環境負荷の少ないものを優先的に選択することを義務付けた法律です。

 

「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」とは

「グリーン購入法」に基づき、国や地方公共団体が環境に配慮した製品やサービスを調達する際の基準や指針を定めたものです。
必要に応じて適宜見直しが行われており、2025年1月28日に最新の改訂が閣議決定されました。
この改訂により役務-印刷の基準値1の要件に、グリーンプリンティング認定制度が明記されました。

 


□役務-印刷における今回の改定内容とポイント

赤文字の部分が今回改訂された部分です。
従来、印刷に関する基準値は一律(①~④)でしたが、今回、新たに⑤が追加され、
「基準値1」「基準値2」の2つの区分が設けられました。

「基準値1」 : 市場を牽引するより高い環境性能を持つ基準。可能な限りこの基準での調達を推進し、早期移行を目指す。
「基準値2」 : 最低限満たすべき環境性能の基準。必要に応じて水準の引き上げを行い、将来的に基準値1への移行を促進する。

 

新たに追加された⑤の要件は以下のア~オのどれか1つを満たす必要があります。

ア.環境マネジメントシステムの認証を取得している事業者であること。

「環境マネジメントシステム」は環境保全のために自主的に行う仕組みです。
ISO14001エコアクション21などが代表的な例です。
環境マネジメント…事業経営の中で自主的に環境保全に関する取組を進めるに当たり、環境に関する方針や目標を自ら設定し、これらの達成に向けて取り組み、その取組結果を確認・評価し、改善していくこと。
三栄印刷はISO14001を認証取得しています。

 

イ.環境報告書等を作成・公表している事業者であること。

「環境報告書等」とは、法律で定められた環境報告書、または環境報告書に記載すべき事項等に関する内容を包含している報告書のことです。
CSR(企業の社会的責任)報告書サステナビリティレポートESG報告書などに環境報告書に記載すべき事項が含まれている場合が多いです。

 

ウ.印刷物の原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクルにおける温室効果ガス排出量を地球温暖化係数に基づき二酸化炭素相当量に換算して算定した定量的環境情報が開示されていること。

印刷物の原材料調達から廃棄までの温室効果ガス排出量を、二酸化炭素相当量で数値化し、国際規格等に沿って開示することです。

 

エ.ライフサイクル全般にわたりカーボン・オフセットされた印刷物であること。

全製造過程で排出される温室効果ガスを、認証された排出削減量(クレジット)を購入して埋め合わせ、排出量を実質ゼロにした印刷物のことです。
使用できるクレジットは、J-クレジットJCMなど、国内の温室効果ガス排出量に反映されるものに限られますが、将来的には、対象品目及び対象クレジットを拡大する等、需要拡大に向けた検討を実施するそうです。

 

オ.グリーンプリンティング認定制度又は環境推進工場認定制度による認定を取得している事業者(工場等)であること。

グリーンプリンティング認定制度[一般社団法人日本印刷産業連合会]
事業者(工場等)の環境負荷低減への取組及び環境に配慮した印刷製品を認定するという総合認定制度
環境推進工場認定制度[全日本印刷工業組合連合会及び東京都印刷工業組合]
印刷物製造工程における環境負荷低減への取組を一定水準以上達成した中小印刷事業者(工場等)を認定・登録する制度

※三栄印刷はグリーンプリンティング認定工場です。当社で印刷する基準をクリアした印刷物にはグリーンプリンティングマークを印刷することができます。

三栄印刷はアとオの2つの条件を満たしていますので、「基準値1」の印刷物の対応が可能です。


今回、もう1点改訂があります。

調達を行う各機関は、印刷物の必要な部数・量を適正に見積り、過大な発注とならないよう、また、少部数の場合はデジタル印刷を選択する等適切な発注に努めること。

 

これまでの印刷物の調達においては、必要部数と実際の使用量の間に差が生じ、結果として紙資源が十分に活用されなかったり、印刷後に余剰分が発生したりするケースもあったようです。
また、少部数の印刷物についても、従来のオフセット印刷が選ばれることが多く、環境負荷低減の観点から、より適切な方法を検討する余地がありました。
今回の改訂により、印刷物の調達においてより一層の環境配慮が求められることになります。
当社は、デジタル印刷においてもグリーンプリンティングマークの認定を受けており、お客様のニーズに合わせた最適な印刷方法をご提案可能です。

☞グリーンプリンティング認定工場検索ページ

 


□ISO14001とグリーンプリンティング認定制度

今回新たに加わった環境マネジメントシステムの認証の、ISO14001とグリーンプリンティング認定制度の両方を三栄印刷は取得し、長年更新し続けています。

ISO14001

・あらゆる業種の組織が対象となる環境マネジメントシステムの国際規格
・組織全体の環境マネジメント体制を評価

組織が環境への負荷を低減するための環境マネジメントシステムに関する国際規格です。
組織が環境方針を定め、環境目標を設定し、それを達成するための仕組みを構築・運用することを求めています。

 

グリーンプリンティング認定制度

・印刷業界に特化した環境に関する認定制度
・個別の印刷製品に対する環境性能を評価

印刷業界の環境自主基準に基づき、印刷工場の環境負荷低減への取り組みと、環境に配慮した印刷製品を認定する制度で、一般社団法人日本印刷産業連合会が運営しています。
基準を満たした印刷製品には、「グリーンプリンティングマーク(GPマーク)」を付けることができます。
GPマークは、資材から印刷工程、配送に至るまで、トータルな環境配慮を示すマークです。

 

環境保全への貢献は、私たち印刷業界にとって大変重要な責務です。
ISO14001認証とグリーンプリンティング認定、どちらも環境保全に貢献するための重要な仕組みであり、両者を組み合わせることで、より効果的な環境対策を推進することができます。

 

三栄印刷は2004年9月にISO14001認証取得、2008年9月グリーンプリンティング認定工場を取得。以来、これらの認証を継続的に更新し、環境負荷低減への取り組みを続けています。
印刷業が環境に与える影響を真摯に受け止め、常に環境負荷の低い印刷技術と持続可能な資材の使用を追求しています。
お客様のグリーン購入ニーズにお応えし、環境に配慮した印刷物をご提供することで、持続可能な社会の実現に貢献したいと考えております。

 


今回のグリーン購入法基本方針改定は、印刷業界における環境配慮の重要性を改めて示すものです。
企業にとって環境への配慮は社会的な責任であると同時に、持続可能な未来を築くための重要な要素です。
三栄印刷は、これからも環境負荷の低い印刷技術と持続可能な資材の使用を追求し、お客様のグリーン購入ニーズにお応えすることで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

今回の基本方針改定を機に、印刷物の調達について見直し、環境負荷の低減に取り組んでみてはいかがでしょうか。
三栄印刷は、お客様の環境配慮への取り組みを全力でサポートいたします。

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